響きの森文京公会堂 文京シビックホール

オススメ公演の聴きどころ指南

ユーリ・テミルカーノフ指揮 サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団

2014年1月24日(金)19:30開演 文京シビックホール 大ホール 日本初披露のマーラー『復活』交響曲

イメージ

文・柴田 克彦

 文京シビックホールにおける外来アーティストの公演は、独自の演目が魅力のひとつを成している。その中にあっても、今回のユーリ・テミルカーノフ指揮/サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団のプログラムは、とびきりスペシャルと言える。それは、日本初披露のマーラー『復活』交響曲が、マエストロ自らの希望により、本ツアー中唯一、文京シビックホールで演奏されるからだ。

 サンクトペテルブルグ・フィルは、1802年創設のフィルハーモニー協会を前身として1882年設立されたロシア最古のオーケストラ。ベートーヴェン「荘厳ミサ曲(ミサ・ソレムニス)」の世界初演や、マーラー、ブルックナー作品などのロシア初演も行い、ニキシュ、ワルターなど西欧の大家が指揮台に立ってきた伝統の名楽団である。特にレニングラード・フィルの名では、1938年から50年に亘って音楽監督を務めたムラヴィンスキーとのコンビで一世を風靡。剛毅なサウンドと緊密なアンサンブルで伝説的名演を残している。

イメージ

 1988年その後任に指名されたのがテミルカーノフ。1938年コーカサス生まれの彼は、レニングラード響、キーロフ歌劇場を経て同楽団の芸術監督を務めると同時に、英国のロイヤル・フィル、米国のボルティモア響、イタリアのパルマ王立歌劇場の音楽監督を歴任するなど、欧米での活躍も顕著な大指揮者だ。

 彼は、同楽団の緊密なサウンドに、艶やかな色彩感と柔らかみを加え、ゴージャスかつ表情豊かな演奏を展開。長きコンビネーションに拠る芳醇で深みのある音楽は、もはや熟達の域にある。

マーラー『復活』をこのホールで

 今回の来日公演は、テミルカーノフの75歳と芸術監督就任25年を記念した特別なツアーだが、2011年11月12日以来、約3年ぶりの文京シビックホール登場は、前記の如く、“特別中の特別”な公演だ。

 『復活』は、劇的な第1楽章、メルヘン的な第2楽章、シニカルな第3楽章、歌曲「原光」が心に染みる第4楽章、そして「汝はよみがえらん」という復活賛歌が壮大に歌い上げられる第5楽章…と続く、2人の独唱&混声合唱を伴った感動の大作。だが大編成ゆえ、外来オーケストラ、特に彼らのような超一流の演奏は貴重であり、またこのクラスでこそ体感したい作品でもある。

 独唱は、透明な美声で大人気のソプラノ・森麻季と、テルミカーノフ&同楽団はじめトップ級との共演歴豊富な実力派アルト・坂本朱。日本が誇る両国際的歌手と我が国随一の伝統をもつ二期会合唱団が、自信の日露共演を果たす。

 前回2011年の文京シビックホールの公演では、ラフマニノフの交響曲第2番とチャイコフスキーの交響曲第4番という重量級プログラムで快演を披露したが、本公演は、ホールと聴衆のレスポンスに感激したテミルカーノフが、終演後の楽屋でホールスタッフとの談笑中に交わした「次回はマーラー『復活』をこのホールで」との約束を実現させたもの。それゆえ必ずや巨匠渾身の音楽が胸を打つ、記念碑的な一夜となる。

イメージ

ユーリ・テミルカーノフ指揮 サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団

イメージ

2014年1月24日(金)  19:30開演 文京シビックホール 大ホール

シビックメンバーズweb

コンサート情報

柴田 克彦(しばた・かつひこ)

音楽マネージメント勤務を経て、フリーの音楽ライター・評論家&編集者となる。
「ぶらあぼ」「ぴあクラシック」「CDジャーナル」「バンド・ジャーナル」等の雑誌、公演プログラム、宣伝媒体、
CDブックレットへの取材・紹介記事や曲目解説等の寄稿、プログラム等の編集業務を行うほか、講演や一般の講座も
受け持つなど、幅広く活動中。
文京シビックホールにおける「響きの森クラシック・シリーズ」の曲目解説も長年担当している。

Page Top

Copyright © Bunkyo Academy Foundation All Rights Reserved.