響きの森文京公会堂 文京シビックホール

選りすぐりの名曲を、四季を通じて堪能できる人気のサタデー・アフタヌーン・コンサート!響きの森クラシック・シリーズ 2018-2019シーズン全4回ラインアップ紹介

文:柴田克彦

 《響きの森クラシック・シリーズ》は、2002年11月に始まった文京シビックホールの名物シリーズ。日本最古の歴史を誇る東京フィルハーモニー交響楽団が、一流指揮者&ソリストと共におくる名曲の数々を、年4回堪能できるとあって人気も高い。
 2018-2019シーズンは、東京フィルの首席指揮者バッティストーニ、おなじみの小林研一郎に加えて、ロシアの至宝プレトニョフがシリーズ初登場。ソリストにもコンクールで話題の俊才から円熟のベテランまで多彩な顔ぶれが揃い、チャイコフスキー、ベートーヴェン、メンデルスゾーンの3大ヴァイオリン協奏曲を一挙に堪能できるなど、話題は豊富だ。

Vol.64

2018年5月26日(土)15:00開演

  • イメージ

    ©上野隆文

  • イメージ

    ©大杉隼平

出演/曲目

 アンドレア・バッティストーニが、今シーズンも開幕を飾る。1987年イタリア生まれの彼は、ミラノ・スカラ座やバイエルン国立歌劇場等の欧州主要歌劇場やオーケストラに20代から出演を続ける超俊才。日本では、2012年二期会「ナブッコ」、2013年「ローマ3部作」の壮絶な名演で驚嘆させ、2015年東京フィルの首席客演指揮者、2016年首席指揮者に就任。「トゥーランドット」「イリス」等で、音楽界を牽引するスターとしての評価を確立した。その演奏は、熱気と躍動感に充ち溢れ、緻密かつ壮大。毎回圧倒的なインパクトを与えてくれる。
 演目は、昨年絶賛を博した《チャイコフスキー・プログラム》の第2弾。「アンダンテ・カンタービレ」、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第6番『悲愴』と極め付けの名作が並ぶ。サンクトペテルブルクで長く過ごしたバッティストーニは、メロディの重視や物語性、情熱的な面など、母国と共通点が多いロシアの音楽に人一倍シンパシーを感じており、東京フィルでも再三熱演を聴かせている。今回は流麗なメロディと爆発的なパッションをもった、彼に似合う音楽ばかり。特に『悲愴』は、第3楽章にイタリアの民族舞曲タランテラが用いられているので、いっそう期待が高まる。
 ヴァイオリン協奏曲のソリスト、辻彩奈も要注目。1997年生まれの彼女は、高校時代から頭角を現し、2016年のモントリオール国際音楽コンクールで第1位のほかに、5つの特別賞をすべて獲得する完全制覇を成し遂げた。すでに東京フィル、東響等と共演し、2018年にはメータ指揮/イスラエル・フィルの日本公演でソリストを務める。この逸材の独奏も大きな見どころだ。

 ご存じ“コバケン”こと小林研一郎が、期待に応えて今シーズンも登場する。彼は、当シリーズ10周年の《ベートーヴェン交響曲シリーズ》、文京シビックホール開館15周年の《チャイコフスキー・チクルス》をはじめ、幾多の名演を聴かせてきた、“響きの森の顔”ともいうべき存在だ。
 小林は、1974年第1回ブダペスト国際指揮者コンクールで第1位を受賞して以来、 多くのヨーロッパの一流オーケストラを指揮し、数々のポストを歴任。現在は、日本フィル桂冠名誉指揮者、ハンガリー国立フィルおよび名古屋フィルの桂冠指揮者、読売日響の特別客演指揮者、九響の名誉客演指揮者等を務めている。“炎のマエストロ”の呼び名も周知の通り。パワーと情熱に満ち溢れた指揮で、オーケストラの醍醐味を堪能させてくれる。
 今回は《ベートーヴェン・プログラム》。2012-2013シーズンに感動を与えた演目が還ってくる。しかも、21世紀の一番人気ともいえる交響曲第7番の登場。リズムが躍動するこの曲は、コバケンの持ち味が全開となること必至。しかも彼は近年さらに深みと円熟味を増しているので、聴き逃すことができない。
 優美で格調高いヴァイオリン協奏曲のソリスト・吉田南は、2014年の日本音楽コンクールで第1位、2015年のシベリウス国際コンクールでフィンランド公営放送の視聴者投票の最高票を獲得し、すでに東京フィルをはじめ、東響、大阪フィルやヴェンゲーロフ等と共演している、ぜひ耳にしたい俊才だ。また辻彩奈が優勝したモントリオール国際音楽コンクールで第3位に入賞しており、Vol.64に続けての聴き比べも興味をそそる。

vol.64

2018年9月8日(土)15:00開演

  • イメージ

    ©K.Miura

  • イメージ

    ©Yoshihiro Yoshida

出演/曲目

vol.66

2019年1月12日(土)15:00開演

  • イメージ

    ©K.Miura

  • イメージ

    ©篠山紀信

  • イメージ

  • イメージ

 新春を飾る《響きの森ニューイヤー・コンサート》。豪華なキャストと多彩なラインアップで華やかに繰り広げられる人気公演だ。
 指揮は昨年に続いて小林研一郎。ここは、ウィンナ・ワルツやオペラ・アリアなど、いかなる小品にも全力投球で臨むマエストロの真価が存分に発揮される。加えてコバケンは“合わせ物”の名人。ソリストの個性を引き出すその手腕も見どころとなる。
 ソリストでは、まずメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾く前橋汀子に注目。2017年に演奏活動55周年を迎えた、日本を代表する国際的ヴァイオリニストであり、長年の実績は抜きん出ている。彼女の優雅さとパッションを併せ持つ演奏は必聴だし、十八番のメンデルスゾーンで魅せる円熟味も聴きものとなる。
 歌手も人気スターが揃う。一人はソプラノの幸田浩子。彼女は、専属契約を結んだウィーン・フォルクスオーパーや、ローマ歌劇場、カターニア・ベッリーニ大劇場などヨーロッパ各地で活躍後、『魔笛』パミーナ、『こうもり』アデーレ等で好評を博し、オーケストラとの共演やリサイタル、メディア出演等、多彩な活動を展開している。「ヴィリアの歌」をはじめ演目も期待度十分。柔らかな美声としなやかな歌い回しは、ニューイヤーにも相応しい。
 もう一人は、テノールのジョン・健・ヌッツォ。彼は、ウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場、ザルツブルク音楽祭等で活躍し、国内外のオーケストラと多数共演してきた国際的名歌手で、紅白歌合戦にも2度出演している。おなじみ「誰も寝てはならぬ」をはじめとする輝かしい歌声も、今回の大きな楽しみだ。

出演/曲目

 ロシアが誇る多彩な音楽家ミハイル・プレトニョフが初登場を果たす。1957年生まれの彼は、1978年チャイコフスキー国際コンクール優勝後、カリスマ的なピアニストとして活躍。1990年にはロシア・ナショナル管を設立し、芸術監督として世界有数のオーケストラに育て上げた。ピアニスト、指揮者、さらには作曲家として世界中を魅了しているビッグネームだが、東京フィルとの相性も抜群によく、2015年には特別客演指揮者に就任。精緻かつ濃密な快演を展開し、同楽団に欠かせない存在となっている。
 今回は《ロシア・プログラム》。しかも、チャイコフスキーの豪快な「スラヴ行進曲」、若干珍しいグラズノフのヴァイオリン協奏曲、ハチャトゥリアンのバレエ音楽『スパルタクス』の美しい「アダージョ」、同じく鮮烈な交響曲第3番『交響詩曲』という、プレトニョフらしいひと味違った内容で魅了する。中でも注目は、ハチャトゥリアンの交響曲第3番。これは15本(!)のトランペットとオルガンが別働隊で加わる史上屈指の大音響作品で、生演奏は生涯稀な驚愕体験となるに違いない。
 グラズノフのヴァイオリン協奏曲は、抒情的な楽章と活気溢れる楽章をカデンツァで繋いだコンパクトで美しい逸品。この生演奏も貴重だし、2015年のチャイコフスキー国際コンクールで最高位を受賞したユーチン・ツェンがソリストを務める点でも見逃せない。1994年台湾生まれの彼は、2009年サラサーテ、2011年ユン・イサンの両国際ヴァイオリン・コンクールでも1位を獲得。これまでにフィラデルフィア管等と共演し、欧米でリサイタルを行っている。ここはその実力を知る絶好機。演目ともども熱視線を注ぎたい。

vol.67

2019年3月23日(土)15:00開演

  • イメージ

    ©上野隆文

  • イメージ

    ©Universal Music Ltd.,Taiwan

出演/曲目

 《響きの森クラシック・シリーズ》は、今シーズンも多彩な魅力を満載し、毎回目を離せない。ぜひセット券でリザーブし、1年間存分に満喫しよう!

東京フィルハーモニー交響楽団

©K.Miura

プロフィール

柴田 克彦(しばた・かつひこ)

音楽マネージメント勤務を経て、フリーの音楽ライター・評論家&編集者となる。
「ぶらあぼ」「ぴあクラシック」「CDジャーナル」「バンド・ジャーナル」等の雑誌、公演プログラム、宣伝媒体、
CDブックレットへの取材・紹介記事や曲目解説等の寄稿、プログラム等の編集業務を行うほか、講演や一般の講座も
受け持つなど、幅広く活動中。このほど、「山本直純と小澤征爾」(朝日新書)を上梓。
文京シビックホールにおける「響きの森クラシック・シリーズ」の曲目解説も長年担当している。

響きの森クラシック・シリーズ2018-2019シーズン セット券(4回連続券)

イメージ

シビックチケットのみの取扱い シビックチケット03-5803-1111

 2018年3月18日(日)までの期間限定販売

S席21,000円 A席18,000円 B席16,000円

S席4公演26,000円のところ
A席4公演22,000円のところ
B席4公演18,500円のところ

Page Top

Copyright © Bunkyo Academy Foundation All Rights Reserved.